We clearly see AWS as a crucial part of building our DevOps culture in the mid- to long-term future.
Martin Goetz
CEO, innogy Czech
innogy Czech社について
以前はRWEとして知られていたinnogy Czech社は、ヨーロッパの確立されたエネルギー会社です。チェコ共和国において160万人の顧客にガス、電気などのサービスを提供しています。innogy Czech社では、65,000 kmの配電網を運用し、総容量27億立方メートルの6つの地下ガス貯蔵施設を管理し、18の工場で熱と電気を生産しています。再生可能エネルギー、電力供給網とインフラストラクチャ、および小売業の3つの事業分野で活躍しているinnogy Czech社は、脱炭素化・分散化の現代的なデジタルエネルギーの世界において十分に装備されています。同社は、顧客がより効率的にエネルギーを使用し、生活の質を向上させるために革新的で持続可能な製品とサービスを提供するよう努力しています。
チャレンジ
innogy Czech社は、IS-U (ユーティリティ業界に向けた特別設計のソリューション)、Business Objects (BO)/Business Warehouse (BW)、CRMなどの重要なモジュールを含むいくつかのミッションクリティカルなSAPシステムを社内で運用しています。innogy Czech社の1,000名以上の社員は、毎日これらのシステムに依存して仕事をしています。
同社は、チェコ共和国ブルノにあるデータ センターにSAPシステムをホストしていましたが、洪水リスクがあるため、その施設を閉鎖しました。innogy Czech社は、SAP実装をドイツにおける新しいデータ センターに移行するか、同社のクラウド ファースト戦略と一致するようにパブリック クラウドに移行するかを選択する必要がありました。同社のITチームは、将来のビジネス成長に対応するだけでなく、クラウドの敏捷性、柔軟性および管理効率を活用するために、クラウドに移行することで業務を変革する機会を見出しました。同社は、資本的支出から営業支出への移行を、別の潜在的利益としてみました。
innogy Czech社は、SAP環境をクラウドに移行することを選択した後、2017年第1四半期末までにブルノのデータ センターを廃止することに決めました。しかし、SAP IS-UおよびCRMをクラウドに移行するための公開されたベスト プラクティスはないため、同社はいくつかの課題に直面していました。最初に、数十のテラバイトのSAPデータを移行し、Linuxオペレーティング システムとOracleデータベースの再構築を完了し、データをUnicodeに変換する必要がありました。2番目に、innogy Czech社はビジネス活動や最終的には顧客に悪影響を及ぼすことなく移行を完了する必要がありました。
Amazonウェブ サービスの選択理由は?
innogy Czech社は目標を達成するために、Amazonウェブ サービス (AWS) をクラウド サービス プロバイダとして選択しました。コスト削減に加えて、AWSクラウドの大容量と柔軟性は、innogy Czech社のクラウド ファースト戦略を直接サポートします。
AWSはまた、ISO 27001やISO 9001などのデータ保護規制を遵守するためのinnogy Czech社の要求にも対応しました。innogy Czech社のセキュリティ部門とIT部門は、AWSセキュリティ機能を検証し、企業内で最も機密性の高いデータを保存するのに適していることを確認しました。
innogy Czech社は、最初にSAP人事管理業務をAWSに移行し、続いてIS-U、CRMおよびBO/BWを移行しました。SAPシステムのリクエストは、AWS Direct Connect接続およびVPN Gatewayを介してAmazon VPC (Amazon Virtual Private Cloud) に接続します。ここでは、リクエストは専用ロード バランサによって受信されてから、最も適切なインスタンスに送られます。Amazon EC2 (Amazon Elastic Compute Cloud) インスタンスでOracle Enterprise Editionを実行することにより、ITスタッフは、データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリ機能をシステムに提供するOracle Secure Backupを活用することができます。バックアップは、Amazon S3 (Amazon Simple Storage Service) バケットに保存され、最終的にAmazon Glacierに移され、超低コストでの高い耐久性を実現します。innogy Czech社は、SAP HANAデータベース システムを使用せずにSAP BO/BWをクラウドに移行しましたが、将来的にSAP HANAの使用を検討しています。
FPTソフトウェアは、AWSアドバンスド コンサルティング パートナーおよびASEANテクノロジ パートナーとして、AWS上のinnogy Czech社SAP環境向けに管理されたクラウドおよびその他のサービスを提供しています。
以下は、innogy Czech社のAWS環境です:
メリット
innogy Czech社のSAPシステムは、効果的、セキュアで高可用性であるように設計されていました。AWS Direct Connectがあったことで、既存のデータ センターとAWSクラウド間の安定した冗長化された暗号化接続の構築により、innogy Czech社のITチームは目標をサポートすることができました。ユーザーは、企業ネットワークからクラウド内の可用性の高いシステムに安全にアクセスできます。
innogy Czech社はまた、リソース配置のスピードアップができるようになりました。AWSの使用で、「Infrastructure as Code」(インフラ構成をコードで管理) アプローチ採用により、同社は変更管理プロセスを合理化し、ソフトウェアとリソースの両方を迅速に市場に投入することができます。ハードウェアがもはや同社のSAPシステムをサポートするために利用されないため、ビジネスサービスの提供も加速されます。その結果、技術は障壁ではなく、ビジネス イノベーションを可能にしています。
innogy Czech社は、以前のデータ センター モデルを使用した場合と比べると、わずか数週間で新しいシステムをセットアップすることができました。さらに、Linuxと最新のOracleバージョンに移行することで、同社はSAP IS-U本番データベースを30%削減しました。
クラウドの柔軟性のため、innogy Czech社は消費するコンピューティング リソースとストレージ リソースに対してのみ支払いを行います。同社は現在、コストと使用量の透明性を有しているため、サービスの使用量を直接見ることができ、これらのリソースをより効率的に管理できます。さらに、グローバルなベストプラクティスおよび以前の移行のケースでは、特にLinuxプラットフォームへの移行時に、AWSのコンピューティング リソースのオンプレミス デプロイメントの20%のコスト削減が実現できます。
お客様にとっては、同社が新しいSAPクラウド プラットフォームでサポート プロセスを簡素化してサポートに必要な労力を減らせることにより、新しいIT活動により多くの時間を費やすことができるため、コスト節約につながります。
innogy Czech社はクラウド化されたことにより、リクルートも向上しています。「パブリック クラウドがアプリケーション開発用の新しい標準となるにつれて、あまり知られていないメリットの一つは、AWSクラウドは社内と社外で有能な人材を誘致および保持するために使用できることです。AWSは中長期的に開発・運用連携の文化を構築するための重要な要素であることが明らかです。」と、innogy Czech社CEOのマーティン ゲッツ氏は述べています。